多胎家庭が地域で安心して過ごせるように、子育て支援者の方々に多胎家庭の原状を知っていただきたいと、これまで何度も改訂を重ねてきた支援者研修のプログラムについては、ベースのプログラムを開催地のニーズに合わせてどのようにカスタマイズするかが検討事項となっています。そのことを踏まえ、今回は参加者15名と50名という、規模や参加者の構成も違う2つの会で、2時間半バージョンの中でこの研修会のプログラムづくりに長く関わってくださっている越智祐子先生(名古屋学院大学)が2通りのワークを実施してくださいました。
1)徳島県徳島市
平成29年2月15日(水)に、「アスティ徳島 ときわプラザ」で、NPO法人子育て支援ネットワークとくしまのみなさまのご協力を得て実施し、ひろばスタッフさんやホームスタートのビジターさんなどを中心に、16名の方にご参加いただきました。
グループワークは、「自分が訪問した多胎家庭の場面を想像し、その家庭にどんなことができるか、どんな支援が必要か」というテーマで、付箋や模造紙を使ったKJ法で行われました。当日の夜中にfacebookで開催を知り、いてもたってもいられずに直接会場に来てしまったとおっしゃる1歳4カ月の女の子の双子ちゃんとママも、急遽託児スペースを作って受け入れてくださいました。2人がそれぞれに会場を歩き回ったり、ママが1人を抱いているときにもう1人もぐずったりする様子を間近に見ることができ、ワークでは、寄り添い、労り、傾聴、支援情報の提供、外出支援、夫や家族との関わりへの配慮などについて、具体的に話されました。参加者アンケートでは、「こういう取り組みがあるという事を知るだけでもホッとすると思う」との記述がありました。協力団体の運営される徳島駅近くの広場では、毎月「ふたごちゃん・みつごちゃんの日」と「みつごちゃんの日」が設定されています。お近くの多胎家庭のみなさんには、安心してお出かけいただければと思います。
子育てネットワークとくしまHP→ https://www.knet-tokushima.jp/
2)香川県高松市
H29年2月16日(木)に、「サンメッセ香川」で、NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・かがわのみなさまのご協力を得て実施しました。協力団体から広くお声かけいただいたので、複数のひろばやホームスタート関係者の他に、行政職員、大学教員、保育士、社会福祉協議会、民生委員など様々な立場の方から、50名を超えるお申し込みをいただき、最終参加者は45名でした。愛媛県からのご参加もありました。
香川でのグループワークは、プログラム通りの「広場で双子達が走り回っている場面」のロールプレイからの話し合いと「今日の研修を受講しての感想」の2つで行われました。アンケートで多く書かれていたのが「様々な立場の人の意見が聞けて良かった」というものでした。これは、JAMBAのこの支援者研修の非常に良い点だろうと思います。今回は4つ子ママを含む多胎ママでもある支援者のご参加も多く、「当事者の生の声が聞けて良かった」との記述も多かったです。香川には、2つの多胎サークルの他に複数のひろばでの多胎の日、行政の多胎児交流会、病院での多胎児の会、香川大学とサークル協働のツインズデーに乾杯イベントなど、たくさんの多胎支援のツールがあります。今回はその関係者が一堂に会し、新たな地域の多胎家庭支援ネットワークの芽生えを感じる会となりました。
子どもの虐待防止ネットワーク・かがわHP→ https://kcapn.sakura.ne.jp/
両研修会とも、越智先生が親しみやすい口調でポイントポイントをしっかり押さえながら進めてくださいましたので、「よくわかった」というアンケートでの記述が多かったです。今回の2回の研修会を終え、このプログラムは大変良いものだということを改めて感じています。「もっと時間が欲しかった」とのアンケートの記述は、みなさんの関心が高まった結果だと受け止めています。越智先生、協力団体のみなさま、参加者のみなさま、どうもありがとうございました。
なお、みなさまのご希望にお応えし、今後はこれまでの基礎研修編に加え、より具体的な支援についてみんなで考える実践交流編を提供することになりました。多胎家庭に限らず、広く子育て支援の研修としてご利用いただける内容ですので、子育て支援研修について検討中の団体がありましたら、どうぞ当協会をご紹介ください。
平成29年度は、7月10日(月)に、NPO法人ひこね育ちのネットワーク・ラポールのみなさまのご協力を得て、滋賀県彦根市で本研修会を実施する予定です。詳細は追って当協会のHPでお知らせします。
(報告:天羽千恵子 JAMBA理事)