今年度の日本子ども虐待防止学会(JaSPCAN)学術集会は、わが国で初めて行われる国際子ども虐待防止学会(ISPCAN)大会との合同開催であり、「子ども虐待防止世界会議 名古屋2014」として、2014年9月14日から17日まで名古屋国際会議場において盛大に開催されました。開幕の式典には、秋篠宮妃紀子さまと佳子さまも出席されました。
JAMBAからは、例年どおりJaSPCANのプログラム(14日、15日)のみに参加してまいりましたが、開催時期も例年よりかなり早く、例年とはかなり異なった国際色豊かなものとなっているように感じました。
印象に残った分科会等は、次のとおりです。
①「『特定妊婦』規定を使いこなし、多職種多診療科連携態勢で虐待を予防する」(児童福祉法上の「特定妊婦」と判断されれば、養育支援訪問事業や要保護児童対策地域協議会における情報収集や支援の対象とされ、産科医療や精神科医療、小児科医療等との連携・協働が容易になった。多胎は、ハイリスク妊婦であるとともに、特定妊婦でもある場合が多いと考えられる。)
②「母子医療センター産科部門における子ども虐待予防の取り組み~継続支援フェースシート作成~」(虐待予防における病院との連携について参考となる視点であった。)
③「保護者は支援機関のアウトリーチと一時保護をどのように経験するか?拒否的態度に導く認知と行動に注目して」(訪問型支援を行う上で参考となる視点であった。)
④ワークショップ「子ども虐待の親支援における認知行動療法」(乳幼児を育てる多胎児の親は、視野が狭まり、同じような自動思考や認知のゆがみを持ちがちであると考えられることから、今後の支援には、認知行動療法的な視点も有用ではないかと感じられた。)。
⑤ポスターセッション(多胎を妊娠・子育ての困難として取り上げている例もあった。また、ホームスタートや養育支援訪問事業等の訪問型支援の必要性や有効性も取り上げられていた。)
by 君野雅一