日本双生児研究学会第37回学術講演会が2月4日、岡山市の就実大学で開催されました。日本多胎支援協会は「新型コロナ禍の多胎児子育て状況をふりかえる」「多胎家庭の保育所等への入所に関する全国調査」「新型コロナ予防に対するふたご育児家庭の困難感調査」の3演題発表に関わりました。
また、日本多胎支援協会前代表理事で、一昨年12月に急逝された布施晴美・十文字学園女子大学教授の追悼シンポジウム「多胎家庭支援と子育て支援の交点」も企画されました。双生児研究、双子のお母さん、看護的研究者、多胎支援、と多様な分野で多彩な実践活動をしてきた方として、お人柄や当事者性、研究功績を振り返りました。
コーディネーターは当協会の志村恵代表理事が務め、発表順に東京都中野区役所保健師の稲吉久乃さん、当協会理事である日本赤十字秋田看護大学の大髙恵美先生、十文字学園女子大学の加藤則子副学長、ツインマザースクラブ杉浦祐子さん、当協会理事であるツインズクラブ久留米の村井麻木代表、十文字学園女子大学教員山下倫実先生から、それぞれ生前の交流を通じた活躍の様子や想いを聞かせいただきました。
布施先生は明るく、柔らかで、常に気を配り、どなたにとっても安心できる方であったことが紹介され、誰もがその功績を忘れないでいたいという想いを抱いていることが伝わってきました。改めて布施先生の残されたものの大きさに気付かされ、悲しみに包まれました。
中でも布施先生の手帳に「多胎家庭を取り残さない」というメモ書きがあったとのエピソードが印象的で、涙なしには聞くことができませんでした。今後もこの想いを胸に、「多胎家庭に優しい社会は全ての人に優しい」という理念を軸として、日本多胎支援協会は邁進していく所存です。