日本多胎支援協会は2023年10月15日、香川県高松市の高松大学・高松短期大学で第13回全国フォーラム「つながろう!ふたご・みつごを地域で安心して産み育てるために」を開催しました。会場に約80人が来場したほか、オンラインでも全国から多数が参加し、多胎支援の事例などについて理解を深めることができました。
まず、前内閣官房こども家庭庁設立準備室企画官で、現在は千葉県流山市子ども家庭部長の竹中大剛氏が「こども施策の動向について」と題して講演しました。少子高齢化の進展や共働きの増加など社会構造の変化、地域のつながりの希薄化といった環境の変化により、「地域や家族で子育てを支える力が弱くなっている」と指摘。「地域で子育てを支えるひろばなどの場と、ピアサポートなど人を意図的に作る必要性がある」と述べました。
地元からは高松市母子保健係の難波木綿子さんが高松市の取り組みを発表。多胎に特化した「さくらんぼ教室」は「マタニティ編」と「子育て編」の二本立てで、同日に開催することで、多胎妊婦がベビーカーを目にして参考にできる利点があることにも触れました。またNPO法人子育てネットひまわりと協働で、多胎育児DVDを作成し、市内の産科医療機関や子育て支援関連施設に配布したということでした。
当協会理事で神戸女子大学看護学部教授の服部律子氏は「専門職とピアサポーターの連携による多胎支援の必要性と効果」をテーマに講演。妊娠から出産、育児まで、専門職やピアサポーターが共に走り、地域で共に考える「伴走型相談支援」の重要性を訴えました。
フォーラムの冒頭には、香川県子ども政策推進局の井元多恵局長、高松市の加藤昭彦副市長よりご挨拶をいただきました。
実施にあたっては、地元のさぬきツインクラブの尽力がありました。また、高松大学・短期大学の協力で、学生による「おにいさんおねえさんと遊ぼう」の会場が設けられ、フォーラムの間、参加者の子どもたちの面倒を見てくれて、大変好評でした。フォーラム後のランチ交流会にも学生たちが参加し、多胎育児の当事者や子育て支援者と歓談でき、有意義なひとときとなりました。